「自社のブランド認知度を向上させるプロジェクトが始まった。まず何から手をつけるべきか?」「新しいロゴを作ることになったが、何を基準にデザインを決めれば良いのだろう?」企業の顔となるロゴ制作は、ブランド戦略において極めて重要なプロジェクトです。しかし、しっかりとした土台なしに進めてしまうと、一貫性のない、効果の薄いものになりかねません。
優れたロゴとは、単に美しいデザインであるだけではありません。その企業の「魂」とも言える理念やビジョンを的確に体現し、社会とのコミュニケーションを円滑にするものでなくてはなりません。その羅針盤となるのが、CI(コーポレート・アイデンティティ)(※1)です。
この記事では、社内でブランド戦略を推進するご担当者様に向けて、CI策定からロゴ制作に至るまでの具体的なプロセスを解説します。この内容が、あなたの社内プレゼンテーションの一助となれば幸いです。
なぜ、いきなりロゴデザインから始めてはいけないのか?
プロジェクトが発足すると、すぐにロゴデザインのアイデアを出し合いたくなるかもしれません。しかし、それは言わば、設計図なしに家の建築を始めるようなものです。どのような家に住みたいのか(企業のあり方)、家族のルール(行動指針)も決めずに美しい玄関ドア(ロゴ)だけを選んでも、理想の住まいは完成しません。
思想的背景のないロゴは、単なる「記号」に過ぎず、企業の「象徴(シンボル)」にはなり得ません。 デザインの判断基準が個人の主観に左右され、完成したロゴが企業の真の価値を伝えないものになるリスクを孕んでいます。
ロゴ制作の土台となる「CI策定」3つのステップ
では、強固な土台を築くためにはどうすればよいのでしょうか。その答えが、CIの策定です。これは、企業のアイデンティティを3つの側面から定義していくプロセスです。
Step 1. 理念を言語化する (MIの確立)
まず最初に行うべきは、企業の「魂」を明確に言語化することです。これがマインド・アイデンティティ(MI)(※2)の確立です。経営陣や各部門の主要メンバーでワークショップなどを通じ、「我々は何のために存在するのか(Mission)」「どこへ向かうのか(Vision)」「何を大切にするのか(Value)」といった問いへの答えを導き出します。これが、全てのデザインや行動の拠り所となります。
Step 2. 行動指針を定める (BIの策定)
次に、確立したMIを具体的な「行動」に落とし込みます。これがビヘイビア・アイデンティティ(BI)(※3)です。顧客への接し方、社内でのコミュニケーション、社会との関わり方など、MIを体現するための行動規範を定めます。例えば「常にお客様の期待を超える」というMIがあるなら、BIは「問い合わせには24時間以内に一次回答する」といった具体的な指針になります。
Step 3. 視覚的イメージを統一する (VIの設計)
MIとBIで固めた企業のアイデンティティを、ここでようやく「目に見える形」にしていきます。これがビジュアル・アイデンティティ(VI)(※4)です。ロゴマークはもちろん、コーポレートカラー、指定書体、Webサイトや資料のデザインフォーマットまで、企業のビジュアル表現すべてを規定します。MIで定義した「先進性」や「信頼感」といったキーワードが、このVIデザインの判断基準となるのです。
最後に:思想を「形」にするための提案を
ここまで見てきたように、効果的なロゴは、CIというしっかりとした土台の上に成り立っています。ブランド向上プロジェクトを成功に導くためには、目に見えるロゴデザインの話から入るのではなく、その前提となる「企業のあり方(CI)」を定義するプロセスを提案することが不可欠です。
私たちVIVIBONDは、お客様の内に秘められた想いやビジョンをCIとして体系化し、それを社会に伝わるロゴやWebサイトへと昇華させる戦略的パートナーです。企業の未来を形作る重要なプロジェクトを、ぜひ私たちと共に歩ませてください。あなたの会社の価値が、力強い象徴として社会に認知される、その日まで伴走します。
【注釈】
※1 コーポレート・アイデンティティ(CI): 企業の理念や特性を体系的に整理し、ロゴや統一されたデザイン、行動指針などを通して、社内外にその存在価値を明確に示していく企業戦略のこと。
※2 マインド・アイデンティティ(MI): 企業理念、ビジョン、ミッションなど、企業の「考え方」や「精神」を言語化し、統一する要素。CIの根幹を成す。
※3 ビヘイビア・アイデンティティ(BI): 企業理念に基づいた「行動」の指針。従業員の行動規範や接客マニュアル、社会貢献活動などが含まれる。
※4 ビジュアル・アイデンティティ(VI): MIを視覚的に表現する要素の総称。ロゴマークやシンボル、コーポレートカラー、指定書体などが含まれ、デザインの一貫性を保つ役割を担う。